てらちゃ物語 1
お店の裏手にはこぢんまりとした畑が手入れされてあった。
ジャガイモや玉ねぎが植えてある畑を通って一段低い小径に降りるあたりに朴葉の木がある。みごとな朴葉を見ながら降りる。
しばらくそこらを眺めていると石畳にしてある小径を黒いのがちょっと小走りに近づいてきた。
なんとも人なつっこくすり寄ってくる。
少しメタボな黒をなでてやると、されるがままになっている。
ちょっと遅れて、黄土色のマダラの雑種のが近づいてくる。
黒いのがうなった。
遠慮したように畑の中へ迂回してゆっくり歩いていった。
エッ! サクランボが生っている。鳥にたべられないようにするためかネットがかけてある。
レストランの入り口付近まで歩いてゆくと、どうも定位置らしく別々の木のベンチの上に2匹はそれぞれ寝転んでくつろいでいる。なでてもどちらもなんとも無いといった様子だ。
何とも「ねこ」には居心地の良い場所のようである。
ご主人にお話を伺うと、このマダラの子は2年ほど前の雪の降る夜に「みゃーみゃー」泣いていたんだそうです。それが、名古屋で飼っていたネコの声によく似ていたので、ちょっとほっておけなくなって助けてやっていらい居着いたそうです。
日時:2014年6月 1日 13:24